オランダ:アッセン参戦記!


アムステルダムは町全体がテーマパークのよう! ☆プロローグ☆

具体的に「アッセン行こうよ」ってモトルネの主催者リバーフィールドの横部さんから聞いたのは2月の上旬ぐらいだったでしょうか?
自分がヨーロッパのサーキットを、しかもダッヂTTのアッセンでレースが出来るという夢のような話でした。
ちょっと悩んだけれどすぐに参戦用のバイク“アプリリアRSV1000ファクトリー”を注文していました??
車両が届いたのが3月2日。04のRSV1000は写真で見るよりずいぶん鮮やかな赤色で、各部の仕上がりもかなりいけてます!
さっそくTIサーキットで慣らし運転とセットアップ!のつもりで持ち込んでみたのですが…
数年ぶりのハイパフォーマンスバイクなのでじっくり慎重に行きたいところですが、なにせ3月31日には船便の積み込みでして、その前日のモトルネッサンスで走らせてある程度の感触をつかんでおきたい訳もありまして、ちょっっとあっせっちゃったかなぁ〜…気がつくと?私の新車はオイルに足をとられた勢いでコースの外のタイヤバリヤに一直線!
結構スピード出てたので、タイヤバリヤにあたった後は空を数秒飛んでました…「私のRSVが…私のアッセンが…」
自分もコース上をすべりながら、つかの間の夢の終わりを感じていました。
 しかし、持ち帰ったマシンを点検したのですが、ラッキー?なことに損傷が思っていたよりずいぶん少ない!なんとかなるかも!
これからが、山口の年齢の限界を超える壮絶な愛と感動の物語の始まり〜!!となったのです(超おおげさ?)

アプリリアは心配していた部品の供給も素晴らしく、短期間で修理を終えることが出来ました。(おまけに純正部品は国産並みかそれ以下の価格にびっくり!)シェイクダウンで感じていたセッティング上の不具合も、前後サスをティグクラフトの渋谷君と相談して前後ともモデファイ!04モデルのデータが少ないので確認しながらの仕上げになりそうです。
ポジションの不具合もシート加工と、ステップ、ハンドルをワンオフ製作して好みに仕上げていきます。
当店(インディーズ)はバイクの需要期でメカニックも大忙し!山口の遊び?に付き合ってる余裕がないとのことで、RSVの再生、モデファイ等は全部自分でやることに…腰痛、過労、飲みに行きたい病?等と戦いながら3月は過ぎていきました。

結局次にまともに走らせることが出来たのがモトルネの前日、27日の土曜日でした。セットアップ等を進めながら翌日のレースに備えますが、なかなか思うようには行きません、タイムが上がりません…同じピットのアプリリア勢の山田選手と渋谷選手は順調にタイムを上げてます。それなりのプレッシャーを感じました。
28日レース当日私の参加のMT−1マスターズクラスは、かなりのエキスパート揃いで、中途半端な状態ではレースにならないので、結果よりも楽しく乗れる状態(バイクとライダー自身)を目指します!(言い訳??)そして楽しくレース終了!
結果クラス5位ベストタイム1分42、5秒…こんなもんでしょう?レース中盤からは、「明日の船積みに絶対まともな形で!」
のプレッシャーに負けてズルズルとタイムダウンしてしまいました…(言い訳?)

こんな流れで、レース終了後マシンをインディーズに持ち帰って、深夜まで整備して、早朝より神戸の海運会社に持ち込んだのでした。
無事に届きますよ〜に♪


☆いざ!アッセンへ☆

 5月1日ツーリングに出発です!??インディーズ毎年恒例のゴールデンウイーク九州ツーリングがアッセンの出発前にあります!
雨男は誰なのか雨の中を愛車“モトグッチルマン”で泳ぐように走りながら、十分疲れを貯めて(でも心はリフレッシュ♪)4日の夜遅く徳島に帰り、翌早朝4時に関空に向けて出発!飛行機で爆睡だ!の気持ちで乗り込みましたが、デグナーの世古口さん、リバーフィールドの横部さんと佐藤さん、美人通訳?の片山さんのせいで“爆酔”になってしまいました…スチュワーデスさんごめんなさい。

 15:15アムステルダム着 時差が7時間遅れであります。酔っていたせいであっと言う間の12時間でした!?
空港でレンタカーを借りてみんなで分乗してアッセンに向かいます。アムステルダムの渋滞を抜けて高速道路をしばらく走るとオランダらしい牧畜の風景と、時おりチューリップ畑が色鮮やかに目に飛び込んできます。昔ながらの風車もあちこちに残されており、いきなりみんなで観光気分大盛り上がり!!でした。でもオランダって山がないのね…
本日ホテルアッセンにチェックイン、アッセン市街地のイタリアンレストランで夕食をとりました(夜10時なのにまだ明るい)
翌朝ゆっくり目にホテルを出発してアッセンサーキットに向かいます!20分程で空港のような広〜いサーキットが見えてきました!
やった!!ついに来た!!何か少しこみ上げて来るものを感じました。


☆牛優先!☆

ゲートをくぐってパドックに入るとスポーツ走行をしているバイクとレースに参加するであろうバイクであふれています。
4番ピットに私たちの車両が整然と並べられていました。久しぶりの愛車との再会です。
まずはマシンの整備です!今回ご一緒させていただいていますOVERレーシングさんはピッカピカのオリジナルニューマシン“OV−23XV”を持ち込んでいます。シェイクダウンで一度走らせただけとのことで整備に山本メカニック、大塚メカニック、佐藤健正さんとも忙しそうです。私もこちらのレースのレギューレーションに合わせるためにたくさんの作業があります。
ドゥカティ748RでDUCAITWINSクラスに参加する横部さんは、かなり余裕いっぱい。DESMODUEクラスに参加の中山さんは今回専属でササキテクニックの佐々木さんがメカニックで参加しているので、スムーズに準備が進んでいるようです。
観戦で参加の伴さんと、サイドポンツーンの神吉さんに手伝ってもらいながら私も作業終了!無事に車検合格することを祈ります。
今夜はアッセンの中心街でショッピングを楽しんで、テイクアウトのおいしい料理をホテルの部屋のテラスでいただきました。
野鳥のさえずりを聞きながらハイネケンで乾杯!レース前の時間をゆったりと過ごしました。

 7日朝、今日は練習走行が出来る予定だったのですが、走行可能な車両は排気音が88デシベル以下らしくて、
日本からの私たちのレース用車両が逆立ちしてもクリア出来る数値ではないので、あっさり諦めました。異常なまでの騒音対策は近くの牛!のためにやっていると聞いて驚きました。お国柄ですよね。
受付も無事終わりましたが、OV23のクラス以外は車検も明日なので今日はやることが何もありません。
夜にOV23の車検を見学?して健正さん行き付けの中華屋さん?で遅めの夕食を食べて帰りました。
明日は予選、その前に車検を無事クリア出来るかがとってもに不安です。
ここまで来て車検落ちで走れずに帰ったら皆に合わせる顔がないので、第一関門の車検にかなりのプレッシャーを感じます。


☆久しぶりの緊張感☆

 8日早朝、今日は早起きしました。朝一番から車検があり、11時には一回目の予選です。
ピットのポールには主催者さんが日の丸を掲げてくれました。ちょっと感動!
 前日の排気音測定でも、何台も不合格になっていましたので、私は日本から手荷物で持ち込んだマフラーの“詰め”を装着!
検査官が気づく前にさっさと前に進めあっさりパス!ピットに帰ってすぐ取り外しました(反則?)第一関門クリアです。
 予選一回目が始まりました。鈴木誠さんのSOUND OF THUNDERクラス、健正さんのクラッシッククラス、横部さんのDUCATITWINSクラスが終わり、いよいよ私の参加するSAM BOVEN700クラス(700CC以上何でも有りクラス?)の始まりです。予選の一回目なので今回はコースを覚えることに専念してじっくり行こうと思ってコースインしたのですが…
 なんとなく1周回ってピットサインを横目で見てスロットル全開!1コーナー手前でフルブレーキング!ブレーキング!???
止まれません…そのままコース外を直進して迂回路をぐるっと回ってコースに復帰!カッコワル〜イ!ピットからは見えなかっただろうと思っていましたが、しっかり見えたそうです。気を取り直してアクセル全開!出る出るスピード、とんでもないコースですね、200キロ以上で切り返すようなところだらけ!40歳過ぎて遊びでレースするようなサーキットじゃないなぁ…などと考えているうちに一回目の予選終了!目標の1分40秒を軽く上回る38秒台をマーク!結果は6位(と勘違いしていた)に、かなり満足してしまいました。
そのあとDESMODUEの中山さんの一回目も終了。午後から2回目の予選です。
2回目の予選はクリアラップがまったく取れず、1分37秒で同じく6位。と勘違いしていたのですが、実際は45台中13位と聞いて結構へこみました。
明日の決勝は4列目スタートです。結構厳しいですね。


☆いよいよ決勝レース☆

9日朝、窓を開けるといつも曇っているオランダの空とはうって変わって快晴!やっぱり私は晴れ男♪なんて自分で思いながらホテルを出発しました。
ピットの中のOV−23は相変わらずの人気で、常にたくさんの人達が覗きに来ます。健正さんが留守の時にボーダレスの山下さんが適当なことを言いながらピースサインで撮影されて、現地の人に絶賛されていましたがいいのでしょうか??
5月のアッセンはとっても寒くて、念のために持ってきた上着を着てもまだ寒いほどです。
持参のタイヤウォーマーは変圧器が使えませんでした…困った私に健正さんがスペアのウォーマーを貸してくれました!ありがとう!
横部さんと交代で使います。
 決勝の始まりです!最初はDUCATITWINSの横部さんのクラスからです。ピットサインを出しながら応援します。
追い上げながらポジションアップする内容に大興奮!見事なレース展開で終わりました。素晴らしい!転倒の可能性有りの筆頭候補?だったので一安心(勝手に決めるな!って言われそう)驚いたことに、レースが終わった直後に「ヨコベのファンになった」なんて言っている若い女性(9歳)がやって来たのでびっくり!
お母さんと一緒に来てしばらく横部さんとコミュニケーションを楽しんでいました。やはりモータースポーツ文化先進国(私はヨーロッパをこう呼んでいます)の方々は目の付け所が違う!っと思いました。知り合いじゃなかったら私は多分見てません。(ごめんなさい)
中山さんも赤旗中断になった荒れたレースを見事7位で終わり大満足の表情です。
午後3:30からの予定だった私のレースはタイムスケジュールの大幅な遅れでかなり遅い時間になりそうです。
横部さんが「皆が無事に終わったら派手に打ち上げしましょうね」なぁ〜んて言いますが自分は終わったから気が楽でいいですよね!
私はいい歳して?かなりの緊張ぶりです。こんな自分がはずかしいなぁ…なんて思いながら隣を見たら、同じように緊張した表情でレースを待ってる健正さん発見しました。なぁ〜んだこれでいいのか!みたいな意味のない安心感と、嬉しさのようなものを感じました。
でも鈴木誠さんはヘルメットを被るまでは全然緊張感の無い振る舞いでした(失礼)


☆感動の…☆

今回、悩みながらも参加を決めた理由がいくつかありました。
現役でレースをやっていた時の自分が憧れていた世界の舞台を走れることに子供のように感情が動いたこと。
そして、自分が惹かれるユーロバイクの魅力の原点を肌で感じて見たい気持ち。
そして…

 いよいよ決勝レースのスタートの時が来ました。朝は快晴だったのに私の走る時間近づいて来るとシールドに雨粒がぽつぽつ…
これっていやがらせ?やっぱり私は雨男?ナーバスになっていたら、GPのカメラマンでこちらにお住まいの木引さんが、空を指差して「あの方角が明るいから雨は降らない!私はこのサーキットを20数年間見てきているから間違いない」って言ってくれました!かぁっこいい〜!
かなり気が楽になりました。
ウエイティングエリアで進行を待っている間に、今回日本チームのアピールのために、寒いのに浴衣姿で頑張る美人通訳の片山さんと記念撮影。笑顔を作ろうとしますが、近年味わったことの無い極度の緊張で、どう頑張ってもこわばってしまいます。

 グリッドに付いて、いよいよ決勝のスタートです。
レッドシグナルが消えて一斉にスタート!ロケットスタートを決めて1コーナー進入の時は4位にジャンプアップ!予定通り?
などと自画自賛しながら倒しこむと、タイミングがずれてラインを外して大きく膨らんでしまい2台抜かれてしまいました。ガクッ!
1コーナーを抜けるとずっと5速まで加速しながら切り替えしていく高速セクションです。国内では体験できない醍醐味と緊張感を味わえます。何せほぼトップスピードで膝を擦ります。(RSVのメーターのデータで見ると245キロ出ていました)
トップグループの背後に付けていいリズムで走れているのですが、距離を縮めることが出来ません。
後半の高速セクションを過ぎて最終のシケインへ進入6位のまま1週目を終了「何とかこのままトップグループで」との思いが強すぎたのか、緊張しすぎていたのか、ここでなんと左目のコンタクトが外れてしまいました…「私のアッセンもこれで終わりか…」などと考えながら目をパチパチしていると、なんと奇跡の復活!元に戻りました。気を取り直して全開!しかしそのタイミングでトップグループには随分と離されてしまい一人旅に。次第に焦りからリズムが狂い始めました。
しかし少しずつ高速セクションのコツがわかりかけてきたのでベストラップの1分34、0を記録。
このまま波に乗ってベストラップを更新し続けながら前のグループを追う意気込みはあったのですが、気合が入りすぎてミスを連発、さらにリズムも崩れ始め、34秒台をキープするのがやっとな状態になってしまい、前のグループが離れて行きます。こうなったらもう駄目です。「無事に帰ることが自分の役割かも」なんて考えが頭の中を行ったり来たり?
6周目から周回遅れも出だして、コースに不慣れな私は抜くタイミングをつかめずに大きくタイムを落としてしまいました。
あれこれしているうちに2台に抜かれしまい、8周目に周回遅れに手間取っているスキをつかれ同じRSVに抜かれました、が、
最後の意地?で1コーナー進入でさし返します、しかしまたも立ち上がりでミスをして抜き返されて結局そのまま9位でフィニッシュ!
かなり物足りない結果になりました。(10位以下だと恐ろしい罰ゲームがあったのでラッキーでしたが)

 クールダウンを終えてピットに帰るとカメラマンさん(木引さんとフォトスペースRSの石村さん)のフラッシュの嵐にビックリ!
GPライダーになった気分でしたが、フィルムもったいなく無い?って心配してしまいました。
後で怒られたのですが、可愛い系?カメラマンのプッチこと山内梢ちゃんに、
グリッドに付いたらスタンドから写真撮るからポーズを決めろと言われていたのに、あまりの余裕の無さに完璧に忘れてしまってました。
ごめんなさい。


☆夢の終わりはビールで☆

 5台も出ているから全車無事で完走は無いだろうとの世古口さんの期待を裏切って、最高の結果で全レースが終了しました。
マシンを船積みするための油脂類抜きと梱包をしていきます。終了のあと皆でビールでカンパ〜イ!
緊張感からも開放されて最高の気分です。しばらくピットロードからコース内に入って、ほろ酔いで夢の時間の余韻に浸りました。
スタートのフロントローに横部さん中山さんと腰掛けて、「アッセンだね」なんて確認しながら子供のようにはしゃいでいました。
しばらくの間誰もいなくなったアッセンサーキットのメインストレートで、時間の感覚を忘れて過ごしました。

 翌日はアムステルダムでゴッホ美術館、運河めぐり、飾り窓見学?をして隣町のハーレム泊、翌日の昼便で関空に向けて出発しました。


☆バイクって☆

 地元の人達は本当にバイク好きです。OV23が常に人だかりなのはもちろん、私のRSVのマフラーを見て音を聞かせろとか、跨らせろとか、日本のパーツが欲しいとか、いろんなことを話しかけてきます。
パドックのたくさんのキャンピンクカーでは料理を皆で楽しむ姿が自然にあったり、白髪白髭?の本当のおじいちゃんがビンテージのクラスを当たり前のように走っていたり、BMWのノーマルバイクでレースを走っているナイスミドル?な方がいらっしゃたり。
とにかく“大人が大人気なく遊ぶ場所”でした。そういう自分も少年の頃の感性を少し取り戻したような気がします。
こんな人達が作るヨーロッパ製のバイクが楽しいのは当然かも知れないですね。
 私自身今回改めて、こんなに素晴らしいモーターサイクルという乗りものに出会えた事に感謝して、これを仕事に出来ている幸せを強く感じています。

皆さんももっと、どっぷりとこの素晴らしい世界で一緒に遊びませんか?
アムステルダムのオープンカフェ
コース内でしばし・・・ 
なにを思う・・・
健正さんのお友達ラルフさんとカトリーヌちゃん♪
バイク梱包作業
かなり緊張してます でもちょっと嬉しそう?
この方も現役ライダー!
999に乗る女性ライダー
なんかGPライダーになった気分♪
みんな外国人?
予選のスタート
 オーバーの佐藤さんとリバーフィールドの
横部さんに見守られて・・・
無事に車検終了!一安心
エントリー受理書 名前がしっかりと
ホテルアッセンの裏庭 野鳥のさえずりが心地よい
再度 アッセンの町並み